公務員の休みは民間と比べて多いのでしょうか。公務員は休みすぎ。あるいは有給があっても取得できないのでは?と思う方もいるでしょう。
現役の地方公務員が公務員の休日休暇について紹介します。
なぜ休みが多いか
国家公務員は、企業規模、事業所規模が50人以上の企業を対象として給料の差がないか比較を行っています。公務員は大企業であるため大企業と比較するという根拠ですが、逆にいうと公務員の給与は大企業並みであるといえます。もちろん、公務員より給料が高い企業もたくさん存在しますが、平均以上であることは確かなようです。
給与と同様に休みの日数も大企業に合わせた数字で調整されています。大企業は中小企業と比べて待遇が良いことが多いですので、公務員も待遇が良くなります。
休日休暇について
土日祝日は休み
基本的に公務員は土日祝日が休みです。土日祝日に仕事がある場合は振替休日があったり、休日出勤割増手当が出る場合が多いようです。
振替休日
振替休日は年次有給休暇と違い、繰越が出来ないため取得を急かされます。私の自治体では前後1か月の間で振替休日の取得をしなければいけません。
夏季休暇5日
夏季休暇は5日付与され、6月~9月の好きなときに取得できます。お盆の時期はみんなが休みたがるので、交代で休みを取得したり、若い人が夏季休暇の時期をずらして取得します。夏季休暇も年次有給休暇と違い、繰越が出来ないため取得を急かされます。また、プラスで年次有給休暇を追加することで長期休暇をとることも可能です。
年末年始休暇6日
12月29日~1月3日までの6日間は年末年始休暇となります。12月28日は仕事納め、1月4日は仕事初めとなり、休みを取ることは不可能ではないですが休むと嫌な顔をされます。ニュースでも、仕事初めに知事が訓示を言っている場面が放映されます。公務員は、どこも昔からの慣習には気を使っているようです。個人的には生産性、労働満足度を下げるだけなので、有給取得推奨をすればいいのにな、と思います。
年次有給休暇について
年次有給休暇20日
1月に年次有給休暇は1年間に20日を付与されます。4月から新規採用職員として働く場合は、4~12月の分として4分の3となる15日有給休暇を付与されます。
年次有給休暇の繰越
20日分まで年次有給休暇の次年繰越が出来、計40日の年次有給休暇の権利を持つことが出来ます。それを越した分は破棄され、権利がなくなります。
年次有給休暇平均使用日数
年次有給休暇の平均使用日数………………………11.0日
「総務省|平成28年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」
上記の調査結果によりますと、平均使用日数は11日となっています。付与が20日だと考えると55%は取得していると考えられます。私の職場でも、概ね3分の1から2分の1程度は取得している人が多いようです。また、ゴールデンウイークや夏季休暇の際には、有給の取得を推奨されます。
公務員の年間休日日数の平均は138日
2018年の土日祝日は118日となります。
これに夏季休暇5日、年末年始休暇の元旦と土日を除いた4日、年次有給休暇平均使用日数11日を足しますと、138日となります。
1日の労働時間は7時間45分
公務員の労働時間は8時30分から17時15分(12時から13時は昼休み)で、1日の労働時間は7時間45分となります。民間の多くは8時間が労働時間と指定されていますので、1日あたり15分の差があることになります。この差は小さいようですが、年間で240日働くとなると7日以上の差となります。この差は、公務員最大のメリットの1つと言ってもよいでしょう。私が公務員に転職した一因でもあります。
長期休暇はとりづらい
民間よりも公務員は長期休暇は取りづらい傾向にあるように思えます。特に年末年始は民間と比べて長期休暇は取りづらいです。成人の日の翌日から仕事初めの民間企業も多いことでしょう。公務員は4日が仕事初めと昔からの慣習となっており、なかなか休めません。
休めるかどうかは職場や環境による
いかがだったでしょうか。民間と公務員を比較した際に、公務員は休みすぎと言われる事があります。土日祝日が休みで、勤務時間が15分短いだけで十分休みが多いとも言えますし、長期休暇が取りづらい面では休みが少ないと考えることも出来るかと思います。
比較するうえで、民間、公務員のどちらかしか経験したことが無い人の意見を聞くよりも、数は少ないかもしれませんが、どちらも経験がある人の経験を聞いてみることが大切かもしれません。